お月様の色はなに色ですか?

近藤智美公式ブログ・お月様の色はなに色ですか?

こんにちは。NPO法人CLE協会(色彩生涯教育協会)のマジカルカラーリスト、近藤智美です。

みなさんはお月様を見ることが好きですか? まん丸い満月もステキですし、三日月もかわいく感じます。お月様は明るい時間帯にも見ることができます。また、すこし前には、ストロベリームーンが話題になっていて、夜空を見上げた方も多かったのではないでしょうか。

お月様を見ていると、お昼間に見えるお月様と夜に見えるお月様とでは、お昼間は白っぽい色に見えるのに、夜は黄色っぽい色に見えるのを、なんだか違うものに見えるなぁって思ったことはありませんか?

もともとモノが見えるのはなぜかというと、モノに光があたって、それを目が見ているからです。

お月様であれば、お月様に太陽の光があたって反射しているのを、私たちは見ています。お月様そのものが光っているようですが、お月様そのものが光るわけではありません。

お月様は太陽の光を反射して光っているということは、その反射する光の色が昼と夜で変わるはずはありません。大気を通した太陽の光は、黄色に対応する波長で強度が最大になるスペクトルの分布をしているので、その光を反射する月も、本来は黄色く見えるはずです。

♪なんでだろう~、なんでだろう♪の世界です。

お月様の色が昼と夜とで違ってみえるのは・・・

宇宙から見たお月様というのは、薄い茶褐色をしています。これはまさにお月様の岩石の色が太陽の光に反射している色です。

お昼間や夜に見る、白とか黄色とかいうのは、あくまで大気を通した地上で見る架空の色ということですね。なんだか不思議です。

そして、お月様そのものはボールみたいな形をしています。お月様の形が違って見えるのは、太陽の光が月に当たっている部分が大きいほど満月のように丸く見えるし、太陽の光が月に当たっている部分が少ないと、細く見えるからです。

さて、お月様の色に話を戻しましょう。

昼間にお月様を見上げたとき、目に入るのは月からの光だけではありません。

地球は空気の層で覆われています。空気は窒素分子や酸素分子で構成されていますが、これらの分子は可視光の波長より小さいものです。

光はその波長より小さいものに当たると、特徴的な散乱をします。イギリスの物理学者Lord Rayleigh(1842-1919)によると、このときの散乱する光の強さは、光の波長の4乗に反比例します(これを「レイリー散乱」と言っています)。

太陽からの光は、地球の厚い大気層を通って来るのです。その時、「レイリー散乱」によって、大気を通過してくる太陽の光に対して、短波長の「青い光」を散乱させ、長波長の赤い光や黄色い光は、ほぼそのまま大気を通過させるという作用です。

その結果、昼間の空は青く見えるのです。

太陽の光が月に反射した黄色と、空からの青が重なったのが、人の目の網膜に達します。網膜では、3種類の光受容タンパク質がすべて反応してしまうため、昼間の月は白っぽく見えるのです。

もともとの月の光に、レイリー散乱の青い光が加わった光を、私たちは昼間に見ているので、月が青白い、また白っぽく見えるのです。夜には、レイリー散乱の青い光がない状態になるので、月の黄色だけが見えるのです。

ところで「♪月がとっても青いから~」という歌をご存じの方もいるのではないでしょうか。あの表現は、一概にでたらめとは言い切れないそうです。大気のいろいろな変化や、空中のチリなどにより、たまに青っぽく見えることもあるそうです。また、月そのものの色でなく、月の光によって照らし出された光景の色は青白くなると言われています。

同じ明るさの赤と青の光があるとして、徐々に暗くしていくと、同じ割合で暗くしていっても、人間の目には次第に青い光の方が明るく感じられるようになるそうです。これは「プルキニエ現象」と言われるものです。

明るい場所では赤が鮮やかに遠くまで見え、青は黒ずんで見える一方で、暗い場所では青が鮮やかに遠くまで見えるのに対して、赤は黒ずんで見えるのです。これは、桿体と呼ばれる視細胞の働きによるもので、人の目は暗くなるほど青い色に敏感になります。

満月の光でも、昼間の太陽の明るさに比べてみると、46万分の1の明るさしかないと言われています。弱い光でものを見ると、プルキニエ現象によって「青白く」感じます。それを「♪月がとっても青いから~」と歌ったのでしょうね。


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