ニュートンは万有引力だけでなく「光」「色」も研究していた!!

近藤智美公式ブログ・ニュートンは万有引力だけでなく「光」「色」も研究していた!!

こんにちは。NPO法人CLE協会(色彩生涯教育協会)のマジカルカラーリスト、近藤智美です。

今日はニュートンについて。

ニュートン!?って感じでしょうが、色彩のことを学ぼうとすると、絶対に出てくる名前なのですよ。

ニュートンは、300年ほど前に活躍した科学者です(1642-1727)。26歳でケンブリッジ大学の教授になり、若くしてイギリスを代表する科学者となりました。

ニュートンといえば「万有引力の法則」で有名ですよね。「すべての物体はたがいに引き合っている」というのを、ニュートンは、りんごが木から落ちるのを見て発見したといわれています。りんごから法則が出てくるなんてすごいと思いますが、ニュートンは、このような力学の発見だけでなく、光学や数学でも重要な発見をいくつもしているのです。

たとえば、虹の色の数を「7色」と言ったのは、ニュートンなのです。

ニュートンの色に関する著書として1704年の「光学(オプティクス)」が有名ですが、それにいたるまでに、1672年論文において、「光が屈折能の異なる多数の光線の集合である」ことを実験によって明らかにしたと主張した後、この多様性が最も顕著にあらわれる現象として色を取り上げ、屈折能に関する研究結果をよりどころにした色彩論を展開しました。このとき、まだ29歳という若さでした。

ニュートンは、1670~1672年の光学講義において、スペクトルは5色(赤、黄、緑、青、菫)で、まだ7色ではありませんでした。次の1672年論文では5色(赤、黄、緑、青、菫紫)プラス2色(橙と藍)となり、1675年論文では、補助的な扱いをしていた2つの色が格上げされて、7色(赤、橙、黄、緑、青、藍、菫)となっています。そして、その7色のあいだにも、「はっきりしない無数の中間的階調がある」と、色が無数にあることを文章にしています。

すごい観察能力です。こういうところが「実験家としての天才」といわれるところなのでしょう。実験のやり方も詳細に光学には書かれています。実験して、その測定結果を得るのにも、自分の目に頼るのでなく、自分の予想している結果を知らない、自分よりも色の識別能力が高いと思われる友人に頼んでいるほどです。実験結果に対する検証も忘れていない姿勢がすごすぎます。

また、「7色」としたのは、当時、音楽とその調和(ハーモニー)の理論がさまざまな自然界の秩序を反映しているという考え方が広く行われていたらしいのです。

「光学」では、ガラスプリズムで作った太陽光のスペクトルを7色に分けたとき、各色の境界の位置が、音楽理論における、振動数比で計った各音階ソ、ファ、ミ、ラ、ソ、ファ、ラ、ソ(現代のドレミでは、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、レに対応する)の7つの感覚と一致するという測定結果を得ていたのです。

ニュートンは、1672年論文のなかで、「最も驚異的で不思議な合成」だとして「1種類の光線だけで白をつくれる光線はない」とまとめています。実はニュートン自身は、虹の色が無数にあることを知っていたということです。 また、水滴により太陽光が屈折して虹が着色する現象も説明しています。

色彩の世界に、はじめて色度図の概念を導入したのもニュートンです。それは、現代の色度図がもつ性質を原理的にはすべて備えていて、ニュートンの円とか、ニュートンの色円盤と呼ばれるようになり、それは著書オプティクスで初めて公表しました。そのときに、赤色端と菫色端を一致させる根拠に、太陽のスペクトルを7色に分けたとき、その両端を含む8つの色の境界が、音楽の1オクターブをドリア旋法にしたがって8つの音程に分けたときのそれぞれに対する正規化振動数と一致するという測定結果を挙げています。

それも、この実験結果は、オプティクスを発行する30年前には公表していました。しかし、当時、光の波動説をとる人たちからニュートンは激しい批判を浴びたため、その反論をし続けるのでなく、いちばん激しく批判した人の死後、著書オプティクスを世の中に出したのです。

ちなみに、教授としてのニュートンの講義は当時の学生たちに人気があったかどうかというと・・・・。1670~1672年の彼の講義は学生にとっては理解しがたく、出席率も悪かったそうです。講義室に聴講者が誰も来なくて、ニュートン自身も帰宅してしまうようなこともたびたびあったそうです。

当時の状況としては、あまりにニュートンが先をいっていたというか、ニュートンの頭の中も、理解者を見つけるというよりは、自分の研究の先を進めることが優先だったのかもしれませんね。

現代の色度図が多くの人々の手を経て作られるようになったのは、オプティクス発刊からおよそ200年後でした。300年後のいまでも、ニュートンの光学という著書は、科学者や科学者を目指す人が読むべき本として、世界中で愛読されていますから、彼の先見の明というのは、ものすごい話なのですね。


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