こんにちは。マジカルカラーリストの近藤智美です。
今日は冬至ですね。お昼間は晴れていましたが、あっという間に真っ暗になってしまって、やっぱり時間が短く感じられました。でも、明日からはまた少しずつ春に向かって、長くなっていくのですね。それも、楽しみに感じています。
みなさんはもうかぼちゃを食べられましたか? 柚子湯はこれからでしょうか?
さて、かぼちゃや柚子の「黄色」は魔よけになる・・・ということでしたが、どうして黄色が魔よけの色なのかについて、今日はお届けしますね。
前に草木染めのことを記事にしましたが、草木染めによって「色」そのものが得られる以上に、植物の薬効を利用したくて布をその植物で染めて身につけたというのが、もともとの始まりであったことを書きました。
なので、今回も、草木染めから得られた黄色を見ていくと、魔除けのヒントが出てくるかもしれないと思ったのですが、どうでしょうか。
草木染めで黄色になるものは・・・
黄色が得られるものについて何があるかというと・・・
黄檗(きはだ)、刈安(かりやす)、鬱金(うこん)、くちなしなどがあります。
あまり聞き慣れないものもあるかと思います。ひとつひとつご紹介しますね。
黄檗:もっとも古い黄色の染料
黄檗はミカン科の木で、木に黄色の内皮があり、これが染色に使われました。「蘗」とは肌、皮のことです。葉にはタンニンも多く含まれます。
黄檗はアルカロイドのベルベリンを含んでいて、これが抗菌作用をもちます。
黄檗で染められた黄紙は、正倉院にも残っています。これらは、紙に黄色(仏教での高貴な色)の色付けをするとともに、虫食い防止効果のために使われたといわれます。
黄檗はほかにも、健胃剤や傷薬などの漢方薬としても用いられました。
ただし、布に単独で染められることは珍しく、緑系や赤系の染物の下染めにされることが多かったようです。
抗菌作用によって、菌を寄せ付けないというのは魔よけと言えるのでしょうね。
刈安:庶民の服の色
刈安は、イネ科のススキ属の多年生草本です。ススキに似た植物で、草全体を煮出して黄色の染料とします。
花穂がでた頃に刈り取って染色に用いられますが、刈安の黄色は「庶民の服の色」です。黄檗と同様に、正倉院に染紙として刈安紙が残されています。ということは抗菌作用はあるのでしょうね。
刈安については、例外的に、薬としての記述はほとんどないようです。
紬として八丈島の黄八丈が有名で、江戸時代の庶民にとって粋な着物でしたが、これは八丈刈安による染めといわれます。ただし、染料はコブナグサによるもので、同じイネ科植物ですが刈安とは種類が異なります。また、秋田の秋田八丈の黄色はハマナスの根で染められています。
鬱金:カレー粉として身近
鬱金は、根にある、黄色のクルクミン色素を使います。薬用やカレー粉の原料として、現代でも身近なものですね。ターメリックと聞くと、より身近に感じるかもしれません。サフランライスもいいですが、サフランは高価なので、私はよくターメリックライスにします。
鬱金染めは、殺菌や防虫効果が大きいと言われていて、着物、着物や容器をつつむ布などの用途にされました。防虫効果があることから、悪い虫を寄せ付けない→悪い病気にならないという祈念の意味も含めて、赤ちゃんの産着にも使用していたそうです。
漢方では、鬱金の根茎を日干しにし、粉状にし、水で溶いたりして利胆、鎮痛、止血や痔、切り傷、腫れ物の患部に用いられていました。
鬱金の悪いものを寄せ付けないパワーで、魔よけの効果がありそうですね。
紅花:花を使った染料で、ミイラにも使われていた!
黄色の話をしていたところに紅花って赤じゃないの? はい、たしかに赤い染料です。それも、花で染める唯一のものです。草木染めには草木や果皮が使われることが主なので、めずらしいのです。
この花に、①赤い紅色の不溶性の色素(カルサミン/カーサミン)と②水溶性の黄色色素(サフラワー・イエロー/サフロール・イエロー)とがあるのです。
灰汁と水を用いることで、水溶性の黄色の色素を洗い落とし、発酵させると、紅色の染料として使えるのです。
紅花の黄色の色素には、防虫や防腐効果があり、4500年前のミイラには、紅花色素がついた麻布が巻かれていた事が確認されています。
この紅花を使って、お化粧で頬に紅をさすのは、もともとはインドで「魔除けのおまじない」として行われて風習だったそうです。口紅の着色材としても使われていますが、これも病気から身を守るため、つまり魔よけのおまじないが起源のようです。このあたり、黄色を魔よけに使うのに、一番近そうな感じです。
黄色が使われてきた背景
中国では、宋から清までのあいだ、黄色は皇帝・皇位を表す色とされて、皇帝以外の使用が制限されていました。
中国の五行思想で、「黄色」が中央を表し、それは、国の中心を示し、皇帝はその象徴として黄色の服を着たともいわれています。
一方、西欧で「黄色」というと、イエス・キリストを裏切ったユダの衣の色が黄色だったことから、「裏切り」「嫉妬」「排斥」といったネガティブなイメージがありました。道化の服の色でもありました。近代においても、ナチスはユダヤ人に黄色のバッジを着用させたりしました。
うってかわって、外に出てぐるーっと見渡してみると、黄色は、標識でいえば「警戒色」として使われています。あらゆる色のなかで、一番明度が高い色は黄色です。工事現場や踏切には、黄色と黒を使った配色の看板や標識などが見られますが、一番明るい色と一番暗い色との組合せで非常に目立たせるためです。
目立たせることで「危ない」ことを知らせています。蜂のからだも、黄色と黒のしましまになっていますが、これも、ほかの虫たちに「自分は危ないぞ、針で刺すぞ!」と印象づけるためのものだそうです。
などなど、黄色についていろいろ書いてみましたが、目立つ色だけに悪いものや邪悪なものを寄せ付けないパワーがとても強そうですね。
魔よけには黄色!を覚えておきましょうね。
カテゴリー: マジカルカラーリスト近藤智美 公式ブログ, 色とからだ, 色の豆知識
タグ:世界の色彩感覚, 色のイメージ, 色彩心理
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